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『火の顔』

2009年3月 於 東京芸術劇場 小ホール1

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火の顔 演出ノートより

ここに出てくる家族をことさら歪んだものとして描こうとは思わない。
彼らのディスコミュニケーションの裏には依存心が見え隠れしていて、滑稽ですらある。
スカスカの軽さがある。
でもそれは日本の家族だって同じだろう。
日本だけでなく、どこの国の家族にも通じるかもしれない。
その一方で彼らは成熟することを望む。しかし、そのモデルが親にも子供にもわからない。
親も子供も近代的自我、つまり「個人」になることができない。
「依存と成熟に引き裂かれた家族」とはやっぱり現代の家族のテーマであり、だからこれは普通の家族の物語なのだ。
モデルがない中で家族を演じ続けようとする彼らは悲劇的であろうか?
いや、そんなことはない。
彼らの中にちらちらとほの見える欲望の炎に希望を見出すことは決して不可能ではない。
俳優の身体がそれを証明すればいいわけだ。

【フェスティバル/トーキョー09春、参加作品】


 
タイトル 『火の顔』
マリウス・フォン・マイエンブルグ
翻訳 新野守弘
演出 松井 周(サンプル)
出演 猪股俊明、大崎由利子、野津あおい、菅原直樹、岩井秀人(ハイバイ)